信用情報機関に載っている情報とは、消費者金融や各種ローンがある人だけのものではありません。

クレジットカードの申込・携帯電話の端末購入・奨学金の返還など・・・。

借金はないと思っていても、信用情報機関はあなたの個人信用情報を保有し共有しているかもしれません。

2017年3月金融庁の委託調査で、過去3年以内に借入を経験した人の割合は全体の53.3%(2人に1人以上)もいるということが分かりました。

調査対象者は職種や性別に関わりなく行われていて、これほど多くの人が借入を経験していることに驚きます。

借入目的を項目別に見ると以下のとおりです。

  • 1位 37.8%・・・生活費(光熱水費含む)の不足を補うため
  • 2位 29.0%・・・欲しいものがあったが手元のお金が足りなかった
  • 3位 21.8%・・・クレジットカード利用代金支払の資金不足を補填
  • 4位 15.2%・・・遊ぶお金(遊興費等)が足りなかった
  • 5位 7.1%・・・冠婚葬祭の支払いのため
  • 6位 6.0%・・・医療費の支払いのため

お金を借りる理由のほとんどが、「支払いのため」ということになります。

これらの支払いですが、支払わずに滞納してしまうとどうなるのでしょうか?

中には「個人信用情報機関」に滞納した情報が提供され、新たなクレジットカード契約・ローン契約ができなくなるものがあります。

逆に「個人信用情報機関」に情報提供されないものも存在します。

誰でも債務者になる可能性を秘めているからこそ、個人信用情報機関に載る情報・載っていない情報や延滞し続けるとどうなるのかを知っておきましょう。

信用情報機関は保有している個人信用情報を共有しあっている

信用情報とは個人情報の1つで、個人を識別する情報(氏名・生年月日・住所・勤務先情報)や、クレジットやローン等の申込・契約・支払状況に関する情報を意味します。

日本には経済産業大臣が指定する、「個人に関する指定信用情報機関」というものが3社あり、それぞれが保有する個人信用情報をネットワーク共有しています。

指定信用情報機関は以下です。

  • 株式会社 シー・アイ・シー(略称「CIC」)
  • 株式会社 日本信用情報機構(略称「JICC」)
  • 全国銀行個人信用情報センター(略称「KSC」)

3社のうちいずれかに加盟している会社と契約を結べば、3社間で個人情報を共有できるということです。

信用情報機関CICにはクレジットカードや携帯契約などの情報が載っている

CICは保有情報数7億813万件と、3社の中でもトップの情報数を持っています。

携帯電話の端末購入契約などはCICに加盟している会社と結ぶことがほとんどなので、CICに情報がないという人の方が珍しいかもしれません。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)情報
保有情報数 7億813万件(2017年11月時点)
加盟会社数 943社
沿革概要 日本クレジット協会・日本信用情報センター・全国信用協会の、信用情報機関を1本化し設立。
加盟会社概要
  • 各クレジット発行会社(信販会社も含む)
  • 信用保証会社
  • 自動車・機械等のローンやリース会社
  • 携帯電話事業者
  • 小売店
  • 一部の消費者金融会社・銀行・労働金庫・農林中央金庫
その他
  • 加盟会員は成約中の情報を、月1で更新しなければならない。
    そのため、情報は正確で信頼できると言われている。
  • メナードトータルサービス・メディカルクレジット・中央出版クレジットも加盟している。
  • 日本学生支援機構の奨学金滞納情報

信用情報機関JICCには主に貸金業系の情報が載っている

JICC(株式会社日本信用情報機構)は2009年までに、いくつかの情報機関の吸収合併や事業譲渡を経て、株式会社テラネットが商号変更し発足した機関です。

JICCの前身の1つである、(旧)全国信用情報センター連合会加盟の個人信用情報機関=全情連は、消費者金融専業会社と商工ローン各社が出資して設立した機関でした。

この全情連の加盟条件により加盟できなかった、クレジット会社と銀行系消費者金融により、運用が開始された情報機関が商号変更前のテラネットということになります。

このことから、JICCでは専業大手消費者金融・銀行系消費者金融・クレジットカードの借入情報を主に取り扱っていると考えられます。

株式会社日本信用情報機構(JICC)
保有情報数 3億8408万件

加盟会社数 1397社
沿革概要 2009年テラネットが全情連加盟の33条法センターから事業承認を受け、社名を日本信用情報機構に変更。
同年、外国資本の消費者金融専業会社シー・シー・ビーを吸収合併。
加盟会社概要
  • 専業大手消費者金融
    (アコム・プロミス・アイフル等)
  • 銀行系消費者金融
    (モビット・バンクイック・MR.カードローン等)
  • 専業中堅消費者金融
    (エイワ・ライフティ・フタバ等)
  • クレジットカード系
    (セディナ・三井住友カード等)
  • 住宅ローン情報
その他
  • 住宅ローン「フラット35」を扱うアルヒ・三井住友海上保険・住宅金融公庫なども加盟している。
  • 日本学生支援機構の奨学金滞納情報

銀行など個人向け融資(住宅ローン)信用情報はKSCが主に扱う

3つ目の信用情報機関は、全国銀行協会が運営している全国銀行個人信用情報センター=KSCといわれる機関です。

会員は、都市銀行・リテール系信託銀行・地方銀行・第二地方銀行の・ゆうちょ銀行・日本店を持つ外国銀行などの預金取扱金融機関は全て会員になっています。

他の信用機関と同じように、個人を特定する情報・取引情報・情報の照会情報などが情報登録されていますが、その他に「官報情報」も情報登録されています。

官報情報

個人向け融資においては、自己破産・個人再生の情報をさします。
KSCに提供される情報の保有期限は10年と記載されていますが、個人再生の場合だと最低でも完済してから10年間異動情報が載ると言われています。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)
保有情報数 9390万件

加盟会社数 1180機関
沿革概要 1945年に設立された全国銀行協会が、東京銀行協会に個人信用情報センターを設置したことが始まり。
加盟会社概要 日本にある預金取扱金融機関は全て加盟している。
その他 日本学生支援機構の奨学金滞納情報

CICとJICCとKSCは信用情報共有システムCRINとFINEでどこまで情報交換しているのか

ここまで説明してきた信用情報機関は、互いの保有する異動情報(延滞・債務整理・代位弁済・強制解約など)を一定期間提供しあっています。

信用情報システムの仕組み

提供することの大きな理由は、それを共有している他社の加盟会員同士で、異動情報を持つ人から契約申込があっても審査のための情報開示(与信照会といいます)で新たな貸付・契約を阻止できるようにするためです。

信用情報システムには2つあります。

システム名 CRIN FINE
情報提供機関 CIC・JICC・KSCの3機関 CIC・JICCの2機関
目的 契約者の支払能力に関する調査のために登録情報が使用される。 2010年の貸金業法改正に伴う総量規制※1に対応するために作られた。
使用される情報 主に、延滞・代位弁済、債務整理、保証契約の履行、強制解約や破産宣告などの異動情報。 CRINと同様に事故情報。
借入金額と借入残高。
特徴 あくまで情報を参考に審査を行うので、金融機関によっては事故情報があっても稀に審査通過がある。 携帯電話の端末購入契約も、残高などが記載されている。
借入残高情報など詳細な情報交換をしているので、CRIN情報よりも正確だと言われている。

(※1) 総量規制とはキャッシングやローンなど借入の総額を、年収の3分の1までに制限する規制。
クレジットカード会社・消費者金融の借入額のみを対象としていて、住宅ローン・自動車ローン・ショッピングローンは対象にならない。
 

個人信用情報に載る情報と載らない情報

信用情報機関に共有される情報には、異動情報(延滞・代位弁済、債務整理、保証契約の履行、強制解約や破産宣告など)があると書きました。

では、どんな支払いの延滞・滞納でも信用情報機関に情報提供されるのでしょうか?

  • 水道光熱費
  • NHKの受信料
  • 各種税金
  • 医療費
  • 携帯電話料金
  • 賃貸契約の賃貸料(家賃)

これらの支払いには、「信用情報に載らない情報」・「支払い方法によって載る情報」・「契約内容によって載る情報」があります。

医療費の支払いのために、生活費が不足してしまったという方もいるのではないでしょうか?

過去にゲームアプリで課金し過ぎてしまって、携帯料金引き落としの際、口座が残高不足かもしれないという不安を持った方もいるのではないですか?

全ての支払い遅延にはペナルティがあります。

支払項目と延滞した場合のペナルティとは、どのようなものか知っておきましょう。

公共料金・NHK受信料・各種税金・医療費の滞納は信用情報機関には載らない

日本に住んでいる多くの人が、経験したことがある・もしくは将来経験する支払いというものがあるかと思います。

国民の義務とされている納税がそれです。

さらに水道光熱費・公立学校授業料などの公共料金の支払いもあります。

現行法では、公共放送とされているNHKの受信料も(放送を受信できるテレビを持っていれば)該当します。

これまで一度も医療費がかかったことがないという人もいないでしょう。

こういった支払いを延滞しても、個人信用情報機関には情報提供されません。

代わりにどうなるのかを下表にまとめました。

支払い項目 延滞した場合の措置
公共料金
(電気・ガス・水道代)
送電・供給・給水停止。
支払いを放置したまま引っ越した場合も、引越し先に請求書が送付もしくは、新規手続きができない。
NHK受信料 2017年12月NHK受信料制度に最高裁が「合憲」との判断を下した。

滞納期間が4~5年になると、簡易裁判所名で「支払い督促」が届くことがある。督促を放置し異議申し立てをしないと財産差し押さえの可能性もある。
異議申立をすると訴訟手続きが行われる。

各種税金 税金を未納のままにすると、財産を調査される。
一定期間納付されなければ、財産差押勧告→差し押さえ(給与振込口座等が多い)預金がゼロの場合、差し押さえはできないが延滞している限り納付催告があり、延滞金がかかる。

※自動車税の場合、所有車を差し押さえられる

医療費 病院もしくは依頼を受けた弁護士から電話・文書で催告される。
どうしても支払えない場合は、公的制度や分納相談などの救済措置がある。

信用情報機関に載らない支払項目でも、クレジット決済で延滞した場合は載る

先ほど、信用情報機関に載らない情報だと言った支払項目ですが、支払い方法をクレジット決済にした場合は別です。

公共料金やNHK受信料・プロバイダ使用料やその他の支払い時に、クレジットカードを利用している人もいらっしゃるのではないですか?

さらに昨年2017年1月に施行された税制改正で、「国税の納付方法の多様化を図る」という目的から、クレジットカード納付を可能にする制度が創設されました。

全てのクレジットカード会社は割賦販売法で、信用情報機関への加盟が義務付けられているので、支払いの遅れなどは信用情報機関CICに情報提供されます。

キャッシュレス化がすすむということは、個人信用情報機関に情報提供する機会が増えるということです。

もちろん滞りなく支払いを続けていれば、なんの問題もなく信用を積み重ねていくことになるので、マネー管理に自信のある人はオススメの決済方法ですね。

携帯料金・携帯端末を分割購入契約していた場合の個人信用情報はどうなる?

2010年以降から、急速に普及したスマートフォン。

携帯電話の端末価格が高額で、一括購入できない人が多いため割賦販売法の「個別信用購入あっせん(個別クレジット)」に基づいて、携帯電話端末を分割購入する契約をする人が増えました。

NTTドコモ・KDDI・ソフトバンク(ウィルコム沖縄・沖縄セルラー)・UQコミュニケーションズの日本の携帯キャリア業者は、個別信用購入あっせん業者としてCICに加盟しています。

スマートフォン購入の仕組み

携帯端末を分割購入した際の支払いは、各キャリアの利用料金と併せて請求されるため、分割購入代金のみを支払うということはできません。

重要

契約者が「未成年」の子どもで、支払い名義人の「親権者」が滞納した場合、未成年の契約者の滞納として扱われます!!

契約者の支払状況として、未成年の契約者の延滞情報が信用情報機関に登録され、完済後も5年間情報が保有されます。

ソフトバンク「法定代理人兼支払名義人同意書」

家賃の滞納は保証会社によっては信用情報に載る

家賃を滞納した場合、賃貸契約の内容によって信用情報機関に情報が載るか載らないのかが異なります。

賃貸契約では、原則として「連帯保証人契約」もしくは「保証会社との保証委託契約」の、どちらかが必要です。

  • 連帯保証人契約

    連帯保証人は借主が貸主に対して負う債務について連帯で保証する契約。
    家賃滞納や物件の破損等で借主が支払いに応じない場合、連帯保証人が債務を負い支払わなければならない。

  • 保証委託契約

    入居者が保証会社に保証料を支払うことで、連帯保証人の役割を担ってくれる契約。
    民間賃貸住宅における保証会社の利用率は、平成26年度で56%を占めている。

保証委託契約には、1.一般保証型 2.支払委託型があります。

1. 一般保証型の場合
保証委託契約一般保証型
家賃の滞納があれば保証会社が代わりに弁済し、支払った弁済金が入居者に請求されます。
2. 支払委託型の場合
保証委託契約支払委託型
家賃滞納の情報が、信用情報機関に載る可能性があるのがこの支払委託型です。

これは、月々の家賃を保証会社が貸主に立替払いし、借主が保証会社に立替金の支払いをする、というものです。

この場合、立替金の支払いをクレジットカード決済で行うので、家賃滞納が起こると信用情報機関へ延滞情報が載るのです。

重要

借主が保証方法を選択することはできません!!

保証会社によって、保証方法が違うので確認しましょう。

奨学金は(連帯保証人も)延滞3ヶ月で信用情報機関に載る

冒頭で3つの信用情報機関は、日本学生支援機構の奨学金返還滞納情報も扱っていると書きました。

日本学生支援機構の発表によると、毎年全体の1.5%が3ヶ月以上の延滞が発生し、信用情報機関に延滞情報が登録されています。

全学校種別貸与及び返還に関する情報

奨学金貸与を受けるには、以下のいずれかの保証タイプまたは両方の保証が必要です。

保証のタイプ 制度の内容 延滞した場合
人的保証 申込時に条件に合致する連帯保証人と保証人を選任。
連帯保証人は原則として父母、もしくはこれに代わる者。
延滞3ヶ月以上で信用情報機関へ情報提供される。
さらに、9ヶ月以上滞納すると、法的手続きにより財産差し押さえ等の措置がある。

※延滞2ヶ月目で連帯保証人にも通知されます。
※3ヶ月以上過ぎると、奨学生本人と連帯保証人両方の延滞情報が信用情報機関に載る。

機関保証 保証機関(日本国際教育支援機構)が一定の保証料を代位弁済してくれる。
原則として、月々受ける奨学金から保証料を差し引く。
連帯保証人は不要だが、申込時に本人以外の連絡先が必要になる。
延滞3ヶ月以上で信用情報機関へ情報提供される。

※督促の流れは人的保証と同じ。その後、保証機関が弁済し信用情報機関には「代位弁済」の異動情報が登録される。
※財産差し押さえなどの法的手続きは、保証機関が行う。

重要

奨学金の延滞情報は(連帯保証人も)全国銀行個人信用情報センターに、10年間保有されます!!

これは、クレジットカードや消費者金融の借入とは違い、一般の債権(個人間の借金)と同じ扱いとなるからです。

信用情報機関に載る情報と載らない情報の種類を確認しよう

信用情報機関に異動情報(延滞・遅延、債務整理、代位弁済、強制解約などのネガティブ情報)が登録されると、その情報の保有期限が過ぎるまで情報が消えることはありません。

奨学金においては、連帯保証人の信用情報にも異動情報が記載されます。

異動があった場合は、新規ローン契約ができないだけではなく、現在利用中のクレジットカードなども利用できなくなる可能性もあります。

金銭にかかわる一切の信用がない人・・・となるのです。

日本でも他の先進国同様にキャッシュレス化がすすみ、公共料金・税金納付・医療費もクレジット決済で支払う機会が増えてきています。

それに伴って、延滞するつもりがなかったのに知らないうちに信用情報機関に延滞情報が登録されている場合もあるかもしれません。

今一度、信用情報機関に載る情報・載っていない情報を精査して確認しておきたいですね。